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子育て Vol.78 『信頼関係を築くために』

                森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 

 私がいわゆる『子育て』をしていた期間は、もう終わりました。一番下の娘も来春には社会人になります。親としての心配や不安はきっといつまでも続くのでしょうが、子供の学校や習い事、勉強、友達、部活、進路…など悩みが尽きなかったあの頃は終了。もう大人ですので、自分で決めて自分で進んでもらわないと困ります。

 さて、タイトルにある『我が子へのザンゲ』ですが。今になって思う事が沢山あります。あの頃は夢中で、これでいいのかと考える余裕も、振り返る時間もありませんでした。子供にとって大切な幼児期、またそれ以降の学童期に、我が子のことをちゃんと見ることができていたかな…と今さらながら振り返り、そして反省しています…。

 今、幼稚園の子供達や小学生、先生たちと接する中で思うことは、何事においても基盤であり大切なのは『信頼関係』だということです。
 幼稚園の子供達も入園や進級当初、担任の先生のことをあまり知らないうちはなかなか言うことを聞いてくれません。泣き止ませることも一苦労です。それが、毎日顔を合わせ一緒に遊び、泣いても受け止めてくれ、話も聞いてくれるという存在だと分かると、「この先生は楽しい!優しい!自分の味方でいてくれるんだ!」「先生、大好き!」になっていきます。その基盤にあるのが、子供との信頼関係です。その子が何を好きなのか、家ではどんなことをして遊んでいるのか、どんなことで泣いてしまうのかを知り、関わることで築かれていくものです。反対にそこが築けないと褒めても叱っても心に響かないのです。

その信頼関係を築くために私達が今実践していることは、子供に対しても職員室内でも『傾聴』するということです。
 AIによると傾聴とは、
〈相手の立場に立って共感しながら注意深く耳を傾け、評価や否定をせず、その背景になる気持ちや考えを理解しようとするコミュニケーション〉
 で、そしてその効果は、
〈相手が信頼を得られる〉〈相手が安心して本音を話せる〉 
という回答が得られました。 

 はぁ…。今、先生達が心掛けていることが、私は我が子に対してできていたかなぁ。
 人様に迷惑をかけないように、これはダメ、あれはダメ。こんなことをしていたら後で大変なことになる!と勝手に決めつけ、抑制していたことが沢山あったと思います。気持ちや考えを理解しようと、共感してあげようとしていたかなぁ。しかも評価や否定をせずに…。

 親子だから赤ちゃんの頃からずっと一緒にいてある程度の信頼関係はあったとしても、成長するにつれて子供が考えを持つようになってから、傾聴してあげられていたかな…。
 もちろん親としての役割は必要で、挨拶や返事、社会的なマナーやしつけなどは教えてきたつもりです。割と…いやかなり厳しめに笑。だけど、子供の話をしっかり聞いてあげられていたかというと、それより親の押しつけの方が多かったと実感しています。

 子育ての最終目標である『自立』に向けて、教えていくことと考えさせるところ、そして「ダメはなことはダメ!」という家庭の軸、そのバランスを取りながら、というのがベストなのでしょうが、そう上手くはいきません。完璧な親は多分いなくて、だからこそ親子で補って家族の絆が深まっていくのかな…と思います。

 何が正解で、何が間違いかなんて分かりません。
 ただ、目の前の我が子をよく見て、よく話を聞いてあげること。そして、親の言葉をしっかりと伝えること。必ずいつか、子供の心に届くと信じて!

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