学童塾を始めて15年目になります。学童塾を始めた頃は、幼稚園のカリキュラムが今と少し違いました。ひらがなとカタカナのノートが数冊あり、ひたすら書くことに専念していました。また、本読みは、音読や読み聞かせよりも「自分で何冊読めるか」の数を記録していました。その後、試行錯誤し、現在は「くすっ子」のような非認知能力を身につけることが一番であることに改めて気づき、諦めない気持ちや自分からやってみようと思えるような考えに変化していきました。文字を書く力というよりも考える力をよりつけるために、考えさせる機会を多くしていく方向にしたのです。もちろん、小学生は書くことや簡単な計算をすることも大切ですので、これからもバランスよく行っていきます。
その考える力は、幼稚園の頃から度々お伝えしているように、日常の中で教えすぎないことや、自由遊びの中での友達とのかかわり、机上での取り組みでついていきます。大人が、先回りして言ってしまったり、答えを教えてしまったりするとなかなか力がつきません。
今は、何でもすぐに答えを出すことができ、答えを導き出す方法すら考えなくていい時代です。考える機会をあえて与えなければ、どんどん簡単な方法しかとらなくなります。学童塾では、本当に困った時に自ら考えることができるようになることを目指しています。
学習も同様に、自分でじっくり考えて答えを導き出して欲しいのです。しかし、問いの意味が分からなかったり、文章を読解できなかったりすると答えは出せません。学習を理解する力をつけるのに不可欠なものは、『語彙力』です。「読解力がなくて…」と悩まれるのであれば語彙力から見直して欲しいと思います。読解力や語彙力をつけるには読書が一番ですが、そんな子ほどあまり本が好きではなかったりします。でもやはり、本や文字に触れる機会を作るしかないと思います。学力の高い子供は、親子で図書館に通っていたことが多いというデータもあります。二週間に一度、借りに行ったり返しに行ったりするのは大変ですが、その手間こそ親子の対話の時間です。考えなくても目から入ってくる情報よりも、考えながら目で追い、理解する読書とでは違いは歴然です。今からでも遅くはありません。親子で図書館通い、始めてみませんか。