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子育て Vol.73『今年度もたくさんお話ししましょう』

くすの木幼稚園 副園長 関恵子

 入園・進級から、間もなく一ヶ月を迎えようとしていますね。幼稚園では少しずつ泣き声が落ち着いてきました。新しい環境に戸惑い、家族と離れ、小さな胸の内はとても不安なのだと思います。そんな子供達が泣きながら口にしているのは…いいえ泣き止んでも、思い出したように口にする言葉は、「ママ~!」「お母さんがいい…」ほとんどがこれです。きっと、『母親』がそばにいるだけで子供は安心できるのでしょう。母親って…偉大ですね。でも、その『母親業』ってラクじゃなく、簡単じゃなく、時短もできない。一生懸命頑張って、これが正解!と思って行動しても、その答えが合っているのかどうかもその時はわからない。だから、不安にも駆られるし、ため息をつきたくもなるし、投げ出したり逃げ出したりしたくもなる…。そんなお母様方ばかりとは限りませんが、でも、そんなお母様が一人でもいらっしゃったら、力になりたい。エールを送りたい。一人ぼっちじゃないんだと安心してもらいたい…。
 この『迷子の子育て』は、そんな想いで森の木幼稚園の奈々子先生とくすの木幼稚園の関の二人でお届けしている私達の子育て回顧録です。…とはいえ、私達の子供達もそれぞれ全員成人してしまいましたので、彼や彼女達の幼き日の思い出をたどりながら、あの関わりの結果はこうなった…なんて答え合わせもできれば良いなと思っています。これまでのお話しも残っていますので、よろしければお時間のある時にでも遡ってみてくださいね。
 また、『お話しROOM』という時間もあります。これは、簡単に言えば、「何でもご相談ください!」という一対一の相談会です。奈々子先生や私を含め、各園の主任の先生やパピーカフェの先生等々が保護者の方の悩みや心配事などのご相談に乗ります。もちろん、お子様のことに限らず何でも結構です。日常的な不安なども誰かに聞いてもらったら楽になった…!なんてこともありますよね。どんなことも一人で抱え込まず、どうぞご相談ください。『お話しROOM』は、年に二回ある『個人懇談』の時期に合わせてご案内していますが、この時期に限らずとも、いつでもお声掛けください。…悩みが年二回のこの時期にしかない…なんてことないですよね。いろんなお話をしましょう。お待ちしています。

 さて、もう20年ほど前になりますが、長女が小学校に入学して数週間が経った頃、家庭訪問がありました。(もう今はしていない小学校もたくさんあるようですね)そこで先生に言われたことは…。「娘さんは一度で話を理解できません」でした。だから、二度言うようにしている、と。…いやあ、ショックでしたね笑。それまでの保育園生活で同じようなことを言われていたわけでもなく、家庭でそんな姿が見られるわけでもなく、これには正直、焦りました。ただ…結論を言えば、これは環境の変化に長女が戸惑っていた…というのが実情でした。5月になる頃には問題なく集団生活になじんでいたようです。振り返れば、小学校生活という新しい環境に、『私が』一番戸惑っていたと思います。緊張していたと思います。それは、準備段階の数ヶ月前から始まっていました。あの準備はできているか、これは用意したか、あの確認は終わったか、学校へ行く道順はどうか、誰と行くのか、他に抜けていることはないか、どんな先生になるだろう、新しい友達となじめるだろうか、学校生活に困らないだろうか…。そんな不安でいっぱいでした。だからと言って「今日どうだった?」「学校楽しい?」「困ってることちゃんと言えてる?」そんなことばかり口にすれば、長女にプレッシャーを与えることになると分かっていましたので、一切こんなことは口にしませんでした。言葉にしてないから、だから良いだろう…くらいに思っていました。でも、この、私の不安な気持ちは言葉になんかしなくても私から溢れ出し、確実に、長女に伝わっていたのです。
 親の不安は、間違いなく子供に伝わります。でも、だからと言って、不安をなくさなければと躍起になって押し込めても、簡単にはなくなりません。不安な気持ちや心配な気持ちをきちんと解決して解消したら…きっと心から子供の背中を押してあげることができます。親が不安のない顔で見送ってくれたら…子供はきっとどこへ行っても安心して生活ができます。

 今、保護者の方が抱えていらっしゃる不安や心配事…どうぞご遠慮なくお話しください。今年度も、たくさんたくさんお話ししましょう…!

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