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Vol.88『いつか思い出すこと』

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子  

最近、空を見上げることはありましたか?
秋になり、空には様々な形の雲が浮かんでいます。夜には、澄んだ空気の中で月もひときわ綺麗に見えます。暑さも和らぎ、散歩が気持ちの良い季節になりました。子供と一緒に歩くだけで自然と会話も広がります。

「羊の毛みたいな雲だね」
「金木犀のいい香りがするね」
「銀杏の実は踏まないように歩くんだよ」

いつもは時間に追われていても、たまにはこうやって会話をしながら歩いてみるのもいいですね。
子供達は今、たくさんの言葉を吸収している時期です。一番身近なお母さんお父さんとの会話からも、たくさんの言葉をおぼえていくのでしょうね。

『三つ子の魂百まで』という諺があります。幼いころに育まれた気質は大人になっても残るという、幼少期の関わりの大切さを表しています。
子育てをひととおり終えた私にとって、ちょっとドキッとしてしまう言葉です。えっと…その頃どんなふうに子育てしてたっけ?毎日がバタバタと過ぎていくだけで、何を話し、どうやって言い聞かせていたのかよく覚えていません。でもきっとその時の関わりが、良くも悪くも今の我が子三人の姿に繋がっているのでしょう。

そう思うのには、私自身の経験もあります。
それは、「絵本」のことです。幼いころ読んでもらった絵本や昔話を、今でも驚くほどたくさん覚えているのです。
今の絵本は、絵も内容も楽しいものがたくさんあって選ぶのに迷ってしまうほどですね。私が絵本を読んでもらっていたのは50年以上も前。もはや半世紀も昔のことです笑!
それでも覚えているんですね~。中には、その情景まで浮かんでくるものさえあります。母は、忙しい毎日の中、寝る前にいつも絵本を読んでくれていました。たくさんの本があったわけではないのですが、幼稚園からもらう月刊絵本や日本昔話を繰り返し読んでもらっていました。幼少期以来、読み返したりしていない話でも覚えているものだな~と思います。

そんな経験があるからか、長女と長男にはよく本を読んであげていました。
長女に一番覚えている本を聞いてみました。「アレかな、コレかな♪」と予想していたのですが、娘の答えは、『ふたりのたんじょうび』。意外とマイナーやん…予想外でした笑。

息子にも同じように聞いてみたところ、『おまえうまそうだな』と即答しました。コレは納得!
忙しさにかまけて、「自分で読んでね」と言っていた次女は何と答えるでしょうか…。年末に帰省した時にでも聞いてみようと思います。

お母さんお父さんから読んでもらう絵本。子育て真っ最中の頃にはそんな先のことまで考える余裕はないかもしれませんが、実は、何十年も経ってから思い出す、そして心の奥に残る未来の大きなプレゼントなのかもしれませんね。

絵本だけでなく、日々かわす言葉も、きっと子供の心のどこかに残るのでしょう。手を繋いで歩きながらする会話。お風呂の中での会話。寝る前のほんのひととき。そんな時間を、大切にして欲しいなと思います。
子供にお菓子を我慢させたり、もう少し頑張って歩こうと励ましたりするように、大人もちょっとだけスマホを我慢して向き合う時間を増やしてみませんか。

せっかく気持ちの良い季節になりました。子供と一緒に空を見上げるのもいいですね。
そんな何気ない時間が、いつか子供達の心に残っていたら嬉しいですね。

 

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