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子育て Vol.52『小学生ママ初体験記』

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 年長の子ども達は、いよいよ卒園まで一ヶ月と少し。そして、小学校入学が近づいてきました。第二子以降のお子様は、小学校のことがお分かりかと思いますが、第一子が小学生になる!というのは、なかなか緊張するものではないでしょうか。
 私も思い起こせば19年前…入学式を終え、第一子が小学校に通う初めての日、落ち着かず、ドキドキしていました。
「ちゃんと学校まで着くかな」「帰りは誰かと一緒に帰ってくるのかな」「一人じゃないかな」まずは、そこからが心配でした。何を隠そう、幼稚園の頃は年長になっても毎朝シクシク泣いていた長女。『おが~さ~ん!』と、泣いてかんしゃくを起こすこともまだしばしば。「友達なんてできないんじゃないかな」と、悪い方にばかり考えていました。
「いってきま~す!」と威勢よく初登校。そして、帰ってくるなり「友達のとこに遊びに行ってくる!」と言うではありませんか!それも、私の知らない子。つまり、幼稚園が一緒でもない子でした。小学生ママ初体験の私は、どうしたらいいか分からず「え~!嘘やろ~。お母さんどうしたらいいと?」と笑。今考えると、子どもが遊びに行くのに親がどうすることもないのですが。その時は、とりあえず、一緒に家までついて行って「よろしくお願いします」とご挨拶をしたように記憶しています。そんなことは、第一子の時だけでしたが。

 どうして6歳から一人で小学校に通うようになるのか。それは、子どもの成長過程で、もう一人でも行動できる年齢だからです。先生や保護者の話を理解して、行動できるようになるからです。もちろん、何度も言わなければいけないことや、何回も失敗することもありますが、経験を通して必ず学んでいきます。今は、はっきりそれが分かるのですが、当時、小学生ママ初体験中の私は、よく分かっておらず、ちょっと過保護なこともしていました。登校中の娘を追いかけて水筒を持たせたり、思いがけず雨が降ってきた日に、靴箱に傘を置いてきたり…。

 その、初日に遊びに行ったお友達とはその後しばらく仲良くしていて、一緒に帰ったりもしていました。ちょっと状況が変わったのは、それが三人組になったこと…。怖いですね~女の子の三人組。必ず、2対1に分かれるんですね~。それが日替わりだったり数日続いたり。その『1』になったのが数日続いていたらしく…。
 ある日の下校時間過ぎに、ピンポ~ンと鳴り玄関を開けると、担任の先生に連れられ、泣きはらした長女がいます。先生の話によると、二人が先に帰ってしまい、一人になって帰れずに靴箱でずっと泣いて動かなかったそうです。そして、また次の日もそうやって先生と帰ってきました。なんと心の弱い子どもに育ててしまっていたのだろう…と、申し訳なく思いました。
 お友達のお母さんに、「うちの子に、ちゃんと一緒に帰るように言っておくから」と言ってもらいましたが、その優しい申し出を私はやんわりと断りました。だって、大人が介入していたら子ども達で解決することにならないから。長女には、「一人になっても、ズンズン歩いて帰ってきなさい」「あんたは『2』の方になったらいかん」それだけ言いました。
 その長女の一件から、私自身少しずつ子どもに自覚を持たせることができるようになったと思います。折りたたみ傘をそっと置いてきた日、お礼を言われるかと思いきや、「傘がないけん、友達に(傘に)入れてもらおうと思っとったのに」と言われました。その時も激しく後悔…。あ~私はお友達とのそんな楽しい時間を奪ってしまったんだ~!
 それ以来、忘れ物を届けることはしなくなりました。忘れたらどうしようかと、子どもなりに考えるのです。その機会を奪ってはいけません。叱られることも経験します(今はあまり叱られないかも)。「まずい!」「しまった!」「怒られるかも!」をたくさん経験させ、「どうしたらいいかいな?」と考えさせましょう。

 先日、小学校の先生から「自分の住所(家)が、分からない子がいて困っています。」というお話を伺いました。おうちの方と一緒に入学前に通学路を確認したら、後は自分で登下校するものです。…心配ですよね。私もそうでした。でも、子どもがいつまでも自分でできないことや、分からなくて路頭に迷うことの方がよっぽど心配です。子どもは、自分で解決する力を持っています。それを生かすも殺すも親次第!子どもにしっかりと自覚を持たせ、親も小学生ママになる準備をして下さいね。

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