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子育て Vol.51『成人の儀』

くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

 長女と次女は、唯一の習い事として、小学生の頃に空手の形を習っていました。「あれがしたい」「これやってみたい」と言う子達ではなく、また、夫婦共に「これ習ってみる?」と促すような親でもなかったので、長女が小4の頃、自ら「これ習いたい」とポスティングされていたチラシを見て訴えてきた時は、少々驚きました。何故に空手だったのか…。これは未だに謎ですが、格闘技好きの主人にとってはなんとも嬉しいことだったようですし、私も空手や武道は「カッコイイなぁ!!」と思って拝見する質でしたので、「よし、申込に行こう!」と、すぐに見学に行き、あれよあれよという間に道着に身を包み練習する姿を見るようになりました。
 この空手。当の本人達にとってはキツイことがたくさんあったようですが、親の私にとっては大変ありがたい習い事でした。挨拶やけじめはもとより、礼儀や作法なども教えてくださいました。…まあ、でも結局は、二人とも中学生になると、部活に勉強に…と三足の草鞋を履くことができずに辞めてしまったのですが。今でももったいなかったなぁと、私だけが思っています…。
 
 ところで、この空手では、毎年この時期に『奉納演武』と言われる新年の空手の演武会がありました。(随分前にブログでもお話した内容ではありますが)由緒あるお寺の境内で、それぞれの実力に応じた形を披露するもの。それは、集団だったり個人だったりしますが、初めてこの会に参加した時、私は黒帯の方々のその形の美しさに息を呑みました。30人ほどの黒帯の方全員が一糸乱れぬ同じ動き。動けば空気を切る音がする。もう、本当に感動しました。
 そして、最後には、『成人の儀』と呼ばれる、その年に成人を迎える方々の儀式がありました。簡単に言えば、冷水を浴びせられ、地面に倒され、踏みつけられ、泥だらけにされる。…文字だけ読むと、なんと恐ろしい!と言う感じですが、実際は、会場の雰囲気は温かく、笑いもあり、笑顔に溢れています。大人になり、自立をし、これからを歩いていく彼ら彼女らに、

 「顔に泥を塗られるような、踏みつけられるような、そんな辛いことがあっても、くじけることなく必ず立ち上がって進みなさい」

そんな想いが込められているのです。

 さて、我が家の次女。今年ハタチになりました。残念ながら、辞めてしまっていましたので、空手の成人の儀を受けることはできませんでしたが、世間一般の成人式に参加させていただきました。ありがたいことに、この春からの内定も戴いています。………………………………………ありがたいです。本当に。…成人式だよ。…もうすぐ社会人なんだよ。なんだよ!?
…いや、おかしくない!?金髪に振袖って!!!…もう、本当に言葉がない…。この次女には、一体いつまで振り回されるのか…。安部先生が「今だけですよ!今しかできない!!」そう声をかけてくれました。…私は、この言葉をここ最近、何度も何度何度も!唱え、自分に言い聞かせています。今だけ。きっと、今だけ…!!

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