BLOG

子育て Vol.74『花嫁の母』

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 
 

 「それではお母様、ハンカチをお持ちになって…」
先日の長女の結婚式。披露宴も終盤になり、両親は金屏風の前に案内されました。
挙式から披露宴と何かと笑いの絶えない楽しい時間で、涙を流すことも忘れるほど笑。
いよいよこの時が来たか…と。BGMの選曲も泣かせにかかっている…。

 お父さんへの感謝の言葉に続き、「お母さん…」で始まった手紙には、
『お母さん、小さいころから本当に厳しくて何で私のお母さんはこんなに怖いんだろうといつも思っていました…』
 だよな~。この期に及んでもお母さんは怖かったと言い切るんだな~。仕方ないよな~笑。

 長女は、本当に人見知りが激しくて、頑なに私から離れようとしない子供でした。幼稚園時代は約三年間泣き続けたことはここで何度も書かせていただきました。初めての出産も大変だった上に、子育ても余裕がなく確かに怒ってばかりだったと思います。子育てで大切にしなければいけないことは…なんてことも考えたこともなく、ただただ「人様に迷惑をかけないようにしなきゃ」という思いでガミガミ言っていたのだと思います。

 月日は流れ、そんな娘が新しい家庭を作っていくことになりました。
 私の母は、どんな思いで私を送り出したのだろう…と、娘の結婚式の日に改めて考えていました。母娘関係はあまり良好ではなく、私はルンルンで家を出ました。そして、母の気持ちを考えることはありませんでした。どんな気持ちだったのか、遺影で参列した母にはもう聞くことはできませんが、やっと少しわかったような気がしました。

 小さい子供を抱えて、私のようについガミガミ怒ってばかりの日々に嫌気がさす…ということもあると思います。親だから、子供を育てる責任があるから、そうなってしまいますよね。逆に、子供の言うことを全部聞いてあげて何にも叱らず、お姫様王子様のように育てると将来どうなってしまうのでしょう。お姫様王子様のお世話をするのは、「家来」です。親は家来とは全く違いますよね。

 今、これでいいのかと一生懸命悩みながら子育てをされているお父さんお母さん、心から応援します!みんな辛い時もあるけど頑張っていますよね。でもそれはすべてかわいい我が子の為。
私達は「裸の王様」を育てるのではなくて、自分で考えて生きていける、一人前の大人を育てなければいけません。
 でも、私のように、あまりしかめっ面になりすぎず、時には気分転換をしながらこれからも頑張ってくださいね。幼稚園でも、お母様方がホッとできるような場所や企画を考えていきますね。

 さて、娘からの手紙ですが…。
 『…その思いが今はわかり、本当に感謝しています』と続き、少しホッとしました。涙は引っ込んでしまいましたけど笑。

 子供の幸せが一番ですね。それを改めて感じた、幸せな一日でした。

NEW

ホームへ戻る >
子育て支援カフェ白水学園リクルート