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子育て Vol.10|~トモダチ、イナイノ?~

白水奈々子

先月の関先生の「明日、休みたい」のお話。親にとっては、一番困ることですよね。私は、長女の入園当初から約3年間、ほぼ毎日経験していました。毎朝、一体どこからそんな声が出るのかと思うくらい大声で泣き叫ぶ長女に、あの手この手を考えながら行かせてはいましたが、解決策はないまま幼稚園生活は終わり、小学校に入学してからもホント色々ありました…。

幼稚園の頃、唯一ちょっと役に立ったのが『お母さん人形』。厚紙に私と娘が手を繋いでいる絵を描いて切り抜き、確か裏には「がんばれ!」か何か書いて作った紙の人形。それを毎日制服のポケットに入れて行き、どうやら寂しくなったらそれを出して眺めていたようでした。ちゃんと帰ってきてはポケットからそれを出し、間違って洗濯しないように大事にしてくれていました。

6歳離れた次女の時、行きたくないと泣くことは全くなかったのですが、押しつけがましく、また『お母さん人形』を作ってみました。「こんなの作ってみたけど、持っていかん?」と聞いてみると「いいよ!」と言ったものの2,3日ですぐ洗濯してしまい、「やっぱ、いらん」と返されました。姉妹でもこうも違うのか…と思った瞬間でした。

しかし、幼稚園楽しい!友だち関係良好!だった次女は小学校高学年の頃、友だち関係で悩むことになりました。いわゆる、女の子特有のトラブルです。女の子はグループ化する傾向があり、そのグループに入れる入れない、遊ぶ遊ばないなど、とても面倒な(子どもにとっては真剣な)悩みを抱えて楽しくなさそうにしていました。「学校に行きたくない」と言っていたのもこの時期でした。でも私も娘も同じ女なので、自分が通ってきた道、色んなアドバイスもできるし、そんなこといつかは解決するのは分かっています。悩んだり、考えたり…でもそれが、これからの人生で役に立つ時が来る、と言い聞かせて、やがて、環境が変わればなくなっていきました。

 一方、私が通ってきた道を歩いてこないのが息子。もうすぐハタチになる息子の生態は、最近だいぶ理解できてきましたが、中学生くらいまではさっぱり分かりませんでした。その中学生くらいまで思っていたのが、『トモダチ、イナイノ?』。

もともと消極的で、自分からは「遊ぼう」なんて言えないタイプ。無理に友達と遊ばなくても、庭で虫の観察をしたり、マンガを読んだり、絵を描いたりしていました。あと、一人で実況中継を入れながらの野球。「ピッチャー投げました、打ちました、ホームラン!」と言いながらガッツポーズをして走り回る感じのやつです。それって誰かとしなくていいの?と思っていましたが、バットとグローブを持って出掛けることは、ほとんどありませんでした。

うちにはゲームがありませんので、遊びに来た友だちが玄関先で「なんだ、じゃあ帰る」と言って帰ったこともありました。ゲームがないことで寂しい思いをしているのかとも思いましたが、うちは買わないと決めていたのでどうしようもありません。学校から帰ってもほとんど一人でいました。かと言って、寂しそうな様子でもない…。その時は心配でしたがその反面、一人でいることができる強さも大事だよな、と思いあまり言わないようにしていました。本人がそれでいいのなら、まぁいいか、くらいの気持ちで。

そんな息子なので一歩間違えると殻に閉じこもっていたかもしれませんが、スポーツをしていたことが救いでした。(救いと思っているのは親だけで、本人は辛かったかもしれませんが…)そこでは、同じ目標に向かう中で友達もできました。男の子は特に、親が鬱陶しいばかりの存在になる時期に、スポーツで発散し、共感できる仲間がいたことが良かったのではないかと思います。

今でも息子は、たくさんの友達とワイワイという感じではありませんが、まあまあ楽しそうです。友達って親が作ってあげるものではないですからね。親はやっぱり、信じて見守ること(ナカナカできないですが…)、ですね。

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水奈々子

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