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子育て Vol.21『2008年8月のおハナシ』

くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

娘達も大きくなり、保護者の皆様の悩みと少々離れた悩みが多くなりましたが、十数年後にはこんな大変なことになってしまいますから、今、頑張りましょう!反面教師にしてください!なんて気持ちでいつも書かせていただいています。…が!見つけました!昔々の園だより笑。三女が年少の時に書いた、きっと、多分、保護者の皆様と同じ気持ち…ではないかもしれませんが、あの頃のお話。今月は、タイムスリップしてお届けします!!

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「じゃぁ、どうすると!行かんと!?」幼稚園の駐車場で、グズグズとごねる三女に向かって出てくる言葉は、半分投げやり…。登園渋り…ではないのです。幼稚園がイヤとか、何かがキライとか何か理由があるわけではなく、ただのワガママ。「足が痛い」「水筒が重い」「帽子のゴムがイヤ」「あそこが」「あれが」…。よくまあ、次々に出てくるものだ、と感心するくらい。

三女の朝の行動がスムーズに行くか行かないかは、起床で決まります。自ら気持ちよく目が覚めた時は、全てがスムーズ。朝ごはんもちゃんと食べ、一人で着替えを済ませ、ナフキンや箸の準備をし、ハンカチとティッシュをポケットにしまい…。元気よく幼稚園に向かいます。でも。起こされて、眠い目を無理やり開けられたような朝は、全てに大泣き。この朝ごはんじゃイヤ。この靴下じゃイヤ。このハンカチじゃイヤ。挙句は、カバンが重い。荷物が多い。…その都度その都度、声を張り上げて泣き、それに負けじと私が怒鳴る…。「もう、いい加減にしぃよ!」口癖のようになってしまったこのセリフ。怒鳴ったところで泣き止むはずもなく、家を出る時間は確実に迫り、結局、「もう!」と言いながら、服を着替えさせたり準備をしてあげたり。

これが、ダメなのでしょう。これが、私のダメ母ぶりの発揮なのだと自覚しつつも、ついつい甘やかしてしまう日々。…考えてみれば、『甘やかしたつもり』はなくても、『甘やかしてきたかも』と思いあたることは、実はたくさんあります。

昨年までは、着替えにしても、「まだつぼみ組やもんね」とかなんとか(自分に)言い聞かせながら、普通に手伝っていました。たとえ、ごねなくても。ナゼか。…手伝った方が早いから。一人で着替えるのを『待つ』ことができず、「早くして」と、手を出す。甘えて「抱っこ」と言ってくれば、断ってグズグズ言い出されるくらいなら、とヒョイっと抱っこ。その時も「年少になったらちゃんと歩こうね」とかなんとか一応言ってみながら。…そんな、恥ずかしいことをたくさんしてきました。それでいて、年少になったとたん、全部一人ですることを要求する私…。するはずがないのです。それまで簡単に手伝ってきたのですから。三女がわがままを言う理由も、三女をわがままにした理由も、頭ではわかっています。そんな子に育てたのが、私だということも、身に染みています。でも…。

三番目ともなると、実は意外にしっかりしている様な気がします。姉二人の行動をよく見ていて、『これをやるとお母さんの逆鱗(!)に触れる』とか、『お姉ちゃんが叱られている今は、お利口にしておこう』とか、状況をよく見て行動しているように見えます。だから、普段はほとんど手がかからない。そこそこ何でも一人でやります。…だからこそ!甘えてくることを素直に受け止めてあげられない、大人の対応ができない私。「一人でできるやん」「それくらいわかるやん」「いつもそんなことせんやん」ついついその気持ちが先に立ってしまう。

4歳の娘と私が対等に張り合ってどうするんだ、と思います。私が受け止めてあげればいいだけなんだ、と思います。三女が朝から泣き叫ぶ理由も、ワガママを言う理由も、そしてそんなワガママな子にした理由も、私が一番わかっています。でも…。

「抱っこ~!」と泣き叫ぶ娘を、今更抱っこなんてできない。「(荷物が)重たい~!」とワガママを言う娘の荷物を、今は持ってあげたくない。…これこそ、私のワガママなのかもしれません。単なる意地の張り合いなのかもしれません。あぁ、情けない…。

娘の成長と、私の『母親』としての成長。…私の方が、確実に追い越されそうです…。

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 それから11年。間違いなく、私の母親としての成長より三女の成長の方が伸び率は良く。ただ…三人の中で、一番「お母さ~ん」と呼ぶ回数が多いと感じます。…やっぱり、甘ったれ(に私がしたの)かもしれません…。

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