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子育て Vol.18|『「お母さん」迷走中』

白水奈々子

長い夏休みが終わりました。子ども達が小さかった頃、夏休みは何しよう、どこへ連れて行こうの前に、「あー、朝ごはん終わったばっかりなのに、もうお昼ごはん作ってやらないかん~」と思って過ごしていたのを思い出します。生きる上で最も重要な『食』、と分かっていてもついつい手を抜きたくなりますよね。お母様方、お疲れ様でした…。適度に手を抜き、息抜きをしてお母さんが心身健やかに過ごすことができれば子どもも大らかに…。というのは現実ではなかなかできませんが、そんな時間もとれるよう、工夫してみてくださいね。

 夏休みの前半、一週間ほどですが関東に住む息子が帰省しました。パソコンに向かってレポートを書いたり、学園のシンボル犬である『ぎん』の散歩に行ったりと自宅で過ごすことの多い短い帰省でした。ある日、帰省中の息子が、思春期真っ只中で悪態をついてばかりの妹に「家にいられるだけで幸せと思え」と言っていました。息子の友達の間で私が一番厳しかったのは周知の事実でしたので、福岡に残ることにさほど執着した様子もなく、家を出ました。口うるさい母親からアレコレ言われずに済む、くらいの気持ちが少なからずあったことでしょう。そんな息子からのそんな発言。ゴロゴロしていても誰にも何も言われないはず、何時に帰ってきても何時に起きても、部屋が汚くても怒る人はいないはず、なのにガミガミ言われる「家」にいられることが幸せだと思え、と。

ほ~、家を出て有難みが分かったかな…と思いながら聞いていました。

 実は、家を出て一年半、息子の心の弱さを目の当たりにして、自分の子育てを振り返り、反省し、悩み、正解はないのだけど、親としてどうしていいのか分からない日々が続いています。リハビリから始まった部活で復帰したと思ったらまた怪我…。そりゃ、滅入るのも分かります。でも、そんな時こそ強い心を持って乗り越えて欲しい、逆境に打ち勝つ精神を持って欲しい、その為に厳しくしてきたつもりでした。でも、実際はそう、うまくはいかず息子は度々弱音を吐いています。それが、なかなか辛い。母親は子どものそんな姿が一番辛い。しかも離れているからなおのこと辛い…。

 幼稚園のお母様方にとっては、まだ10年以上先の話ではありますが、私はこの10年先のことを考えながら子育てをしてきたつもりでした。家を出て、独り立ちした時に困らないようにと。しっかりと自立し、「お母さん、心配しないで。大丈夫だから!」と胸を張って言ってくれるようにと。

ですが、実際は…毎日心配してます。男だから、女だから、家にいるから、家を出たからと、色んな要因があると思いますが、この心配はいつまでが続くのか…。

 自分の子育てを振り返り、とにかく周りなんかお構いなしに厳しくしてきたことにちょっぴり反省。どうしてもっと愛情を注ぎ、大らかに受け止められなかったんだろう…。その反省しか出てきません。何が良かったのか何が悪かったのか、それは、分かりません。そして、戻ることもできません。でも、戻ったら違う方法をとるかと言われたら、そんな自信もありません。あの頃はあの頃で、先を考えるとこうすることが一番だと思うことを伝えていたつもりです。間違っていたのか、まだ正解は先の人生にあるのか…。

子どもが小さい時はあの手この手を使うことができても、だんだんそれもできなくなります。でも、『あの手この手』…それはアプローチでしかありません。やはり、どんな方向からであろうとも信念は変えず伝えなければいけないと思います。10年後、どんな未来が待っているか分かりません。でも、どんな10年後であろうとも自分の歩んできた『お母さん』としての人生を悔いなく振り返ることができれば幸せなんだろうな、と思います。私には10年では足りなかったようです…。まだまだ迷走中ですが、一緒に『お母さん』を、頑張りましょうね!

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子

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