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くすの木学童塾 ~年長参観で流したスライドより~ できるようになる、でもまだできないかもしれない

「ウチの子、出来るようになるのでしょうか?」

「幼稚園が合っているのかどうか、心配です」

入園前によく聞かれる質問です。卒園させた子どもを持つ保護者の皆様にとっては、「大丈夫!」と思える事も、不安で当然です。私達は一人ひとりにあった環境を与えて一緒に考えていきますので、どの子も出来るようになります。その集大成を発表会で目の当たりにした時の感動は、忘れる事が出来ないものになっている事でしょう。

でも、あまり上手くなかったら、失敗したら、それは出来なかったという結果なのでしょうか。また、楽しそうじゃなかったら、皆と同じではなかったら、それは合っていなかったという事なのでしょうか。

ウチの次女は発表会の体操発表で見事に失敗しました。本人は、多分まだ、その時のビデオを見る事が出来ていません(笑)。ものすごく悔しい思いをしているはずです。もしかしたら、体操発表は楽しくない思い出かもしれません。でも私は、彼その経験が良かったと思います。練習では出来たのに本番で出来ない事。何度練習してもあの子のように上手にならなかった事。緊張して失敗した事…。そんな経験一つひとつが糧になっているはずです。

また、私は「必ず出来るようになりますよ」と説明しながら、こうも思います。

《でも、出来たか出来なかったか、この子のたった6年間で人生が決まるわけではないのですよ》と。

そして、合わないと決めつける前に、今、ついていこうと頑張っている目の前の我が子の姿を素直に認めてあげて欲しいのです。「あの子」と比べずに。

幼稚園時代にすぐ出る結果と、まだまだ潜伏期間で表には現れない事とがあります。小学生のうちもまだまだです。物事に積極的に取り組めないとか、落ち着きがなくて突っ走ってしまうとか、気になる事はあるかもしれませんが、我が子を自立させるためにはどう関わっていけばいいのか、考え続けるのが親の役目だと思います。

我が家の息子も、不器用で幼稚園の頃は何をやってもうまくいかず、父親から厳しい事を言われて、よく悔し泣きをしていました。小中学生の頃も同じでした。思うような結果も出なかったからこそ、努力をさせる事の大切さを言い続けることが出来ました。幼稚園時代、簡単に何でも出来るようになっていたら、努力を教える機会を逸してしまったかもしれません。

息子もまだまだ自立とは言えず、いつになったらしっかりしてくれるのか…と思うばかりですが、今は親の言うことよりも、挫折や失敗を通して自分で目標に向かっているようです。

最後に長女は…幼稚園では二年間、毎朝泣いて登園、友達もなかなかできない。小学校では、友達関係のトラブルで学校に行きたくないこと数度。中学校入学早々、環境の変化になじめず数日休む…。

親として、どう対処していいものかずいぶん悩まされましたが、この長女のトラブルこそが親として一番成長させてもらったと思っています。

子ども達の人生、まだまだこれからです。今は芽が出なくても、本人の努力次第で大逆転!なんて事も大いにあり得ます。ただ、それが何時なのかは、本人も親も分かりませんよね。やはり、親も考え続け、励まし続け、時には突き放し、自分の足で歩んでいけるよう見守り続けていくしかないのです。

白水 奈々子

 

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