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子育て Vol.24『小さな失敗』

森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 「本当に、どの子もできるようになるんだな」

発表会を見て、いつも思います。特に年長の体操発表は、年少だった頃の様子が思い起こされ、その成長に涙腺がやられます。挨拶も小さな声でしかできない。とにかく困ったら固まる。泣きだしたら訳が分からなくなる。給食を食べるのも一苦労。…などなど、初めて幼稚園という社会に出た3歳の頃。それからたった3年しかたっていないのにこんなにも逞しく、凛々しく成長した子ども達の姿はとても輝いていました。

 発表会を見て思い出すのは、次女が年長の時の体操発表での失敗です。2歳の頃から姉兄とあたりまえのように体操をしていたので楽しんで練習し、習得も早い方でした。そんな娘は本番のステージ上で失敗し、悔しさから10年くらいDVDを観ることができませんでした。高校生くらいになってやっと観た時も「もう観たくない」と。(しつこい性格です笑)きっとこの10年、他に悔しい思いをしたことはあったと思いますが、6歳の記憶がそれほど焼き付いているものかと驚きます。応援してくれた先生や、一緒に一生懸命頑張った友達、そんなことも一緒に記憶の中に留まっているのでしょう。

 今回の発表会も様々なドラマがありました。親も子も、当日を迎えるまでの葛藤が少なからずあったことと思います。もしかしたら、「練習したくない」「幼稚園に行きたくない」「失敗したらどうしよう」という思いが小さな胸の中にあったかもしれません。でも、当日そんなことで逃げ出す子はいませんでした。我が家の次女のようにうまくできなかった子もいるかもしれませんが、この経験がきっと、次に繋がります。『世の中、うまくいかないこともある』ということも知り、悔しい経験を乗り越えていくためのメンタルを持てるようになると思います。

 とは言え、失敗して傷つく我が子を見るのは親にとっても辛いこと。でも、『失敗』がかわいそう、ではなく『失敗を経験しないで育つ』方が心配なことではないかと思います。もっと大きくなってからの失敗でメンタルがやられて立ち直れない、なんてことにならないために小さな失敗をし、それを乗り越える力をつけて欲しいです。

 先日、『子育て四訓』というのが目に留まりました。

  • 乳児はしっかり肌を離すな
  • 幼児は肌を離せ、手を離すな
  • 少年は手を離せ、目を離すな
  • 青年は目を離せ、心を離すな

幼稚園の年齢の子ども達は、お母さんに密着していた赤ちゃんの頃から成長し、少し離れて見守る時期です。自分一人では何もできなかった頃からグンと成長し、お母さんが知らない『できること』も実はたくさんあります。『手を離すな』とありますが、『手を出す』ということではなく、一人でしようとすることを近くで見守るということ。子どもとはいくつになっても親子である関係は変わりませんが、成長に合わせて距離感を選んでいかなければいけませんね。ぜひ、先回りして傷つけようとせず、見守り、失敗の経験もさせてください。

我が家の長女と長男は成人し、家も出ましたので、目は離れました。でも心は繋がっていると

いう安心感を与え、本当に困った時には頼って欲しいなと思います。次女は、まだまだ目が離せません。鋭いくらいの眼光で見ておかないと何をしでかすか…。そんな三人にも、これからも失敗やうまくいかない経験を積み、乗り越えて自立に向かって欲しいです。そして、社会に貢献できるようになったら、親として少し安心できるのかな…と思っています。

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