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子育て Vol.62『子育てという旅の途中』

  森の木幼稚園・くすの木学童塾  白水 奈々子 

 最近読んだ本で、気づかされることが沢山あり、同時にもう成人した我が子三人に対して申し訳なかった思いでいっぱいになりました。

 子育てが始まった頃、『初めて○○した』とか『○○ができるようになった』とか沢山の初めてのことだらけでした。いつまでも寝顔を見ていたり、授乳に幸せを感じたり…それはそれは今まで感じたことのない愛しい日々でした。

 それが、いつごろからなのでしょう。眉間に皺を寄せてガミガミ言うようになってしまったのは…。

 その本の著者は、様々な講演や本の中で、

「 子育てとは『心配』を『信頼』に変える旅である 」

と、何度も伝えられています。振り返ってみると私は、『心配』しかしていませんでした。その心配とは、

「何でも食べられないと病弱になるんじゃないか」

「今、ワガママを聞き入れることで、自己チューになって友達もできなくなるのでは」

「行きたくないからと学校を休ませると癖になったらどうしよう」

「片付けもできない人になってしまっては困る」

などなど、「あなたが将来困るでしょ!」と言わんばかりにガミガミ言ってきました。でもそれは、母親である私が、不安で心配でしょうがなかったからなのだと気づかされました。もっと我が子に対して『信頼』できる心の余裕があれば、もっとゆっくり話を聞いてあげる時間を取ってあげれば、怖いお母さんじゃなかったかもしれません。そして、皺の数ももっと少なかったかも笑。

 あの頃、どうしてあんなにもイライラしてしまったのか、それは私の母親としての力量不足だったと突き付けられました。でも、言い訳ですが…始めから心の余裕のある母親なんて、いないと思います。私のように、ついガミガミと口うるさい親になってしまう…そんなお母さん方もいらっしゃると思います。自分の子供なので、もちろんしつけもしないといけないと思うと、当然ですよね。ただ、我が子への『心配』を『信頼』へと徐々に変えていくと、実は楽になるのではないかと思います。そして、心配で心配で…が自分も子供も苦しめていたのだと、今は思えます。

 

 今、高齢の親(80代)が子供(50代)の生活の面倒を見ている「8050問題」も、その象徴なのではないでしょうか。この問題の原因は「ひきこもり」ですが、そうしてしまうのは、やはり『信頼』して子離れすることができず、いつまでも『心配』のままだからではないでしょうか。

 著者によると、

「生まれたばかりの赤ちゃんは何もできないので〈心配100%〉、3歳くらいで〈心配85%〉、10歳くらいで心配と信頼がフィフティフィフティ、そして18歳になるまでに〈信頼100%〉にしていくプロセスが子育てである」

と、おっしゃっています。そう思える為には、随分ドシッっと構えないといけないですよね笑。

 まだ、今は心配の割合が多くて当然ですが、「できることは信じて待つ」という事を少しずつ増やしていったらいいのではないかな、と思います。私自身、あまりできなかったので偉そうに言えませんが…そうやって信頼関係を築きながら子供がしっかり自分の足で歩んでいけるようにさせることが、親の願いであり、子供の幸せだと思います。

 まだまだ、子育てという旅の途中!回り道、寄り道を繰り返しながら一緒に前を向いて、もう少し旅を続けましょう。

 

【参考文献】 

成田奈緒子著  

『子育てを変えれば脳が変わる』 

『誤解だらけの子育て』 

※どちらもおススメです!お時間のある方は是非読んでみて下さい。

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