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子育て Vol.59 『おしゃべりしましょう』

 くすの木幼稚園  副園長 関 恵子

 「どうしてこの子は落ち着きがないのだろう」「何故ご飯を食べないのだろう」「どうやったら我慢ができるだろうか」「片付けや身の回りの整理整頓を定着させるにはどうしたら良いのだろう」…20年程前、娘達(主に次女笑)を前にして、私はいつもこんなことを考えていました。あの頃の私は、怒ってばかりだった記憶しかありません。「○○しなさい!」「もうなんでせんとよ!」「いいかげんにして!」言うことを聞かない我が子を前に、どうして良いかわからない。言うことを聞かせきれない自分を、どうすることもできない。怒ってばかりの自分がイヤで、自分の言動や行動を悔やみ、毎晩寝顔に懺悔をする…。「明日こそ怒らんけん」「明日は優しいお母さんになるけん」そんな口先だけの懺悔が『明日』を変えてくれるはずもなく、結局、明日も明後日も同じことを繰り返す…。

 きっと、お母様方の中にはこんな私のようなダメ母はいらっしゃらないと思います。でも、我が子との関わり方に悩んでいる方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
 …当時の私は、どうしていいかわからないと嘆きながらも、誰に相談することもなく、何かを具体的に変えることもなく、結局、怒ってばかりの毎日でした。それは、私が勝手に「誰に相談しても無駄」「娘を変えられるわけがない」「言うことを聞かせる魔法のようなことなんてあるわけがない」と思い込んでいたから。「この子にはできないのだ」「私には無理」そう決めつけて、諦めていたから…。
 相談をしなかった…と書きましたが、唯一、『食』に関してだけはご縁をいただき相談するに至りました。そのおかげで、『我流』でしかなかった食事の関わり方では、様々な方法を知ることができました。「食べなさい」の一点張りではなく、環境を変える、見た目を変える、何より、私の考え方を変える…そんなことを教えていただきました。…それなのに。娘の落ち着きのなさや超のつくワガママぶりに手を焼きながらも、結局、私はそんな相談を誰にもしませんでした。誰にどう声を掛けたら良いのかわからない。相談して、自分の子育てがダメなのだと言われたくない。そんなことばかり考えていました。でも、誰かに少しでも聞いてもらえていたら…私は子育てをもう少し楽しめたのではなかったかと、今は思うのです。私が、私の考え方を変えていたら、きっと、我が子の姿は変わっただろうし、私も親としてもう少し成長できたのではなかっただろうかと…。

 先日読んだ本に『子育ては孤独で不安な作業です。』とありました。続けて、『そのため、悩みや不安がつきません。また、あれこれ悩むのも、ちょっとしたことに不安になるのも、お子さんに対しての愛情が大きいからでしょう。』とあり、子育て中のすべてのお母さんに届けたい言葉だと思いました。
 お母さん、大丈夫です。私達が孤独にはしません。朝、起きてくれないと困っていませんか? どうして片付けができないのだろうと悩んでいませんか? 言葉が遅いのかなと気になっていませんか?…何でも聞いてください。何でもお話しください。パピーカフェには言語聴覚士さんもお越しくださいます。食のスペシャリストさんもお越しになります。先輩お母さん方もいらっしゃいます。もちろん、私達教師もカフェにもカフェじゃないところにもたくさんいます。たくさんおしゃべりして、ちょっとだけ心を軽くして、日々の子育てを楽しみましょう…!

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